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発想の原点を探る
次代をつくるために欠かすことのできない能力、 それがクリエイティビティー
英語には、思いがけない幸運を発見し、手にするという意味を表す「セレンディピティー」なる単語がある。探し物をしている時に、探しているものとは別の価値あるものにめぐりあうという経験は、多かれ少なかれ誰にでもあるのではないだろうか。ただの偶然のようだと思われるかもしれないが、「気付く」というのは、実はものすごい能力なのではないかと感じている。
私学教育の中には、気付きを与えてくれるさまざまな機会がある。それは授業に限らず、日々の礼拝や学校行事、仲間との語らいの中、あるいは学年を越えた繋がりの中で感じられると在校生たちは語る。
「アイデア(発想)」は、空想の世界に自らを置き、想像の翼を広げることによって生まれるものである。「ひらめき」と言えば、突如として生まれる何か突拍子もないものをイメージされるかもしれないが、物事に対してコツコツと思考を積み重ねてきた者にのみ与えられる、贈り物のようなものだというのは言い過ぎだろうか。
先行き不透明なこの時代だからこそ、リーダーシップとクリエイティビティー(創造性)を持ち合わせた人材が、未来を切り拓いていくのは間違いない。知的好奇心や探究心、さらに、自分にとってプラスとなるものを常々見つけたいと願う姿勢を、学校教育の場を通して子どもたちにどう持たせるか、ここが肝要である。物事を正面からだけでなく別の視点から、多面的にとらえることのできる力なくして「創造」という行為はありえない。芸術教育をはじめ、様々な機会を通じて具体的なアプローチ方法を考えることが、その学校ならではの価値となり、存在意義をさらに高めることに結びつくのだろうと思う。