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君は国際社会の役に立てるか!?

スーパーグローバルハイスクールの実力!

生徒は大学や企業に学び、海外に飛び出してリサーチ。目標をさらに高め"調べる・考える・書く・悩む"を繰り返し、いざ実践へ!ひとりの研究者として世界の仲間と協働する。

スーパーグローバルハイスクール(SGH)とは何か

国際的な素養を持ったグローバル・リーダーを重点的に育成する高等学校を、文部科学省が指定する制度。2014年度(平成26年度)から始まり、以後3年間で国公立・私立を合わせ123校が指定校となっている。研究機関は5年間。各校それぞれで、地域性や見学の理念等を踏まえた研究課題と目標が掲げられている。
関西・中国エリアには14校の私学が指定を受けているが、ここでは幾つかSGHの取り組みを紹介したいと思う。

時代を見据え、常に先進的な役割をはたす私学教育

高槻が掲げる研究開発構想は、「医科大学と一体化したアジア圏の人々の健康を支えるグローバル・リーダーの育成」。併設大学である大阪医科大学・大阪薬科大学をはじめ、京都大学グローバルヘルス学際融合ユニット等との連携により、社会課題として顕在化しつつある「グローバルヘルス」という視点を意識づけ、海外の同世代との協働活動を通して「アジアの人々の健康を支える」ことに挑戦。生徒はバランス感覚に優れた次世代リーダーを目指している。GA(SGH)コースの高ーは生徒全員が台湾研修旅行へ。連携する現地の高校では、英語で課題研究のプレゼンテーションと協働作業を行う。ほかにグローバルヘル スに関わる台湾のトップ2大学の訪問やグローバルマインドセット育成のためグローバル企業で研修も。高2はアジア・フィールドワークにおいて資料収集と実効性の検証を 行う。その一つ「パラオ・日本・ハイチの事例から考える支援の功罪について」の英語による研究発表は、2018年3月に開かれた「高校生のためのポスターセッションin京都大学」で全国から高校生が集まるなか優秀賞にも選ばれている。

「異文化の人たちと―つのものを 作り上げる」という経験は、生徒たちの間に驚くべき化学反応を起こし、これまでにない成長を促す。関西学院高等部は、SGUに指定される関西学院大学と連携し、国際連合、JICA、国際赤十字などの活動を元とした数々のプログラムでグローバル・リーダーを育む。高3の選択 科目「Global StudyⅢ」では、インドネシアの提携校・ハラパン高校の生徒とグループを結成。「国際協カ」をキーワードに共通テーマを設定し、毎週のテレビ会議を通してデイスカッションやプレゼンを繰り返し、身近な社会問題に対して自分たちができる解決方法を探る。ゴミ問題を考えたチームは、同じ問題でも、それぞれの国での問題意識の違いを共有した結果として、工コバッグの普及を目標に掲げ、両国でそれぞれ製造・販売を企画した。

生徒たちはICTツールを存分に駆使し、企業や大学生のアドバイザーのサポートを受けながら、柔軟性ある様々な企画を立案・実践。毎回の活動をポートフオリオにまとめ、定期的にそれを見直し て、次の活動を軌道修正していく週程で、まさに社会を生き抜くカを育んでいる。

地球規模の貧困問題を研究主題とし「原因究明と日本の役割」「問題の解決策の提案と相互検証」に取り組むの西大和学園

原因の究明、解決には当事国の人々と理解を深めて将来の姿を共有することが不可欠。そのため高1ではベトナム・カンポジアでフィールドワークと現地校との交流を実施。高2では連携する東京大学、京都大学あるいはマイクロソフト、オムロンなど世界企業によるセミナーに参加。自国の技術、伝統文化を見つめ直し強みを生かす方法を学ぶ。加えて、地球規模の問題への貢献に使命感を持つリーダーとして、あらゆるビジネス戦略から現地にふさわしい貧困問題の解決策、実践法を見出す。自らの提案は高3で専門家指導の下、文献や研究論文をさらに調査・分析。有用性や実行性を相互検証し貧困撲滅の実現に結びつけていく。

広島女学院が研究課題として掲げる「Peace Studies」では、グローバル人材に求められる3つの力「平和観」「対話力」「リーダーシップ」の育成をめざし、中 高6年間にわたり徹底して「平和」を探求するカリキュラムとなっている。中学でのテーマは、ヒロシマの原爆である。原爆の被害だけでなく、海外の人々は原爆をどう見ているのか、意見のリサーチをする。その上で、意見の違いを乗り越えられるのか、「核軍縮」を議題に模擬国連を行い、国際会議を疑似体験して論文にまとめる。

高校では、中学で得た学び方を基盤にカンボジア・沖縄についてケーススタディを行う。カンボジアには希望者の海外研修、沖縄には学年全員が参加。ケースス夕ディで得た力をもとに生徒個人で研究テーマを決めポスター発表する。研究の中ではクラスメイトとはもちろん留学生や問題の当事者と何度もデイスカッション。生徒は次世代型の学力とあわせて自己発信しながらも他者を尊重するマインドも伸ばしている。


  • 世界市民として平和構築の大切さをプレゼンテーションやディスカッションを通して体感する「Peace Forum」。2018年はハワイ・沖縄・東京・大阪・広島の高校生が集結


  • カンボジア研修での奉仕活動の様子。貧困家庭の児童に教育を提供する施設「ひろしまハウス」(広島女学院)

  • 中学部には「読書科」があり、"調べ、まとめ、書き上げる"ことを徹底。7限目の駆け足で身体を鍛えるのも伝統となっている

  • 生活に身近な国際問題の解決方法を日々、SNSを適して海外提携校とともに探る(関西学院)

  • グローバルヘルスは医学、公衆衛生、疫学、地球環境、社会学など複合的な問題。海外企業研修や研究発表の領域も広い(高槻)

●女子校●共学校