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ロボティクス

CLUBレポート②
大阪桐蔭「ロケット研究部」

活動内容を分析し報告、プレゼンテーションも見事!

取材の日は、夏休み期間にフランスで打ち上げを行った生徒たちが、実際の様子や衛星が収集したデータ解析などの結果報告を行った。現地でのスケジュールはうまく運べたのか。また、打ち上げ結果として衛星がしっかり機能していたかなど、実際の映像などを用いながら細部まで報告。発表者からは「全体的にルーズになってしまったので、スケジュール管理をもっと徹底しなければいけないと思う」「いろんな講座を通じて個々のスキルアップが必要」「海外の人たちのように楽しみながらできれば」としっかり反省点も提示された。「自由な発想」や「楽しいと思える気持ち」の大切さを実感したというメンバー。彼らが発した言葉が今後の活動のモチベーションとなるのは間違いない。

フランスでのロケット打ち上げ「C'Space」に毎年参加するクラブ

  • プレゼン内容を聞きながら、熱心にメモをとる部員たち

  • フランス現地スタッフによる打ち上げ準備の様子

  • メンバーは男子3名(高1)と女子1名(中3)というチーム構成

衛星開発ではロボット制作を通して学ぶことも多い

小型ロケットなどの開発を行うベンチャー企業「創機システムズ」(東大阪市)の支援を受けてロケット研究部が発足したのは2006年。今年で創部10周年を迎えた。中高約20名の部員がパソコン室を活動場所として模擬衛星の開発などを行っている。

このクラブの活動の目玉といえば、やはり毎年7~8月にフランスで開催されている「C'Space」への参加。このイベントは世界各国から小型ロケットを持ちこんで打ち上げる大会で、大阪桐蔭のメンバーも開発した模擬衛星をロケットで飛ばす。高度は600mにも達し、ロケットから切り離された衛星は動画を撮影しながら、同時に加速度や気象情報を収集するのだ。

「各国のいろんな世代の方々と知り合うことができ、いまもSNSでお互いの近況を報告しあっています」と話すのは部長・田中滉大くん(高1)。グローバルな経験を多感な思春期のうちに得ることができるというのはとても大切で、まさにロケット研究部でしか味わうことのできない貴重な体験がここにある。

開発した衛星は搭載したコンピュータ・プログラミングによって作動するが、そのノウハウを養う機会となっているのが同校の「プロジェクト・ワーク(総合的な学習)」。様々な学びと体験プログラムの中にはロボット講座も採り入れられ、顧問の水野健太郎先生が指導している。特に新入生にとっては、この自律型ロボットを制作する機会はとても貴重な機会となっているようだ。

顧問・香野佑介先生は「ふだんは週1回の活動なので、とても地味な印象を持たれるかもしれませんが、実際は理科的なことや工学的なことなど幅広い知識と技術を得ることができます。ぜひ文化祭などで活動内容を見ていただければ嬉しいですね」と語る。