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ロボティクス
子どもたちの創造力には、驚かされっぱなしです。
高橋さんご自身もロボットを通じて子どもたちと触れ合う機会が多い。現在、高橋さんが顧問を務めるロボット教室には全国で1万2千人以上の生徒がいるという。
ロボットの教室は昔から存在したのですが、どうしても大人目線で「ロボットの専門家を育てる」というカリキュラムになりがちで、となると、教師にも子どもにも負担が大きい。例えば、電子基板に半田付けをして、それにモータと車輪とセンサをむき出しで取り付けて、パソコンでプログラム言語を打ち込んでロボットを作る。しかし、教室の設備投資も大きく、専門知識を持った先生が必要で、でもそれは子どもが本当に作りたいものではなかったりする。私が共同で立ち上げたロボット教室は、子どもたちに人気のロボットを題材にして科学全般に興味を持ってもらい、その中から好きな子がロボットの道に進んでくれれば、というポリシーで運営しています。なので、何よりも子どもが楽しみながら自然に学べることを重視しています。私自身も子どもの頃を振り返ってみると、ブロックを使って色々なものを作った経験から、いまの空間認識能力やデザイン力が身についたと考えています。
毎年、東京大学で全国のロボット教室から選抜した子どもたちが集まる大会を開催しています。中には天才的なひらめきやおもしろい発想を持っている子がいて、毎回、私もとても刺激を受けます。こうした機会を通して、子どもたちの能力を発掘する手助けができればと願っています。「でっかい恐竜が作りたい」「カブトムシのロボットを作りたい」など、子どもらしい発想でチャレンジさせてあげたい。大人の感覚で、合理的に教育を前面に押し出すと、子どもたちが本来持っている興味や好奇心をつぶしかねないと危惧しています。ロボットでなくても構いません、子どもらしい感覚を尊重しつつ、ぜひ色々な体験の機会を与えてあげてください。