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私学の食生活

熟練職人の技術と思いが詰まった、素朴で優しい商品の数々

創業当時、厳選された原材料(砂糖・卵・小麦粉)を熟練職人の手によって焼かれた「瓦せんべい」は、ハイカラせんべいと呼ばれた。その原材料をカステラ風に焼いた「やわらか焼き」、中に小豆餡を包み込んだ「瓦まんじゅう」が代表的な商品。他にさまざまな味わいを楽しめる「吹き寄せ」や、チョコレートを使った欧風菓子も人気。

普段、神戸元町の本店奥で職人たちによって焼かれている商品の数々だが、時折、商店街に面した店舗で焼く様子が見られる。
熱いコンロを前に、確かな技術に裏打ちされた職人の手さばきは、まさにライブ感あふれるステージのよう。

老舗を受け継ぐというのは、並々ならぬプレッシャーがあるかと思うが、跡を継ぐ覚悟を決めた隆昌さんに話を伺ってみた。

「実際に入社するにあたっては、自ら進んでお願いにあがりました。父である現社長に認めてもらうためには、まだまだ勉強することも多く、いろんな力を身につけなければならないと思っています」

香ばしさとともに、優しい甘さが口いっぱいに広がる瓦せんべい。飽食の時代、食の安全性が問われる昨今だからこそ、シンプルな食材で作られる素朴な味わいが喜ばれるのだろう。創業140年からどう踏み出すか、後継者の行く末とともに老舗の次なる一歩を楽しみにしたい。

広い視野と豊かな見識に裏打ちされたユニークな発想が求められるこれからの時代。次代を担い、未来を切り拓いていく人材をどう育むかは、学校にも企業にも共通した課題だと言えるだろう。