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取材・文/丸川悦子(本誌編集部) 撮影/川勝 幸
同行/小松原健裕(日能研関西代表)、種谷洋佑(日能研天王寺校室長)

全国屈指の大学実績を生む、トップレベルの共学校が奈良県にある。年々レベルアップしていく生徒たちに学校は惜しみなく「経験」を積ませ、「世界」を見せてきた。同校には東京大学をはじめとしたトップレベルの大学へ進学する生徒が多く、京都大学合格者数日本一さらには東京大学合格者数全国トップ5などの実績を持つなど関西トップ水準を誇る。近年では海外の一流大学に進学する生徒も現れている。2025年度入試では本校会場に加え、札幌・東京・東海・岡山・広島・福岡・沖縄・シンガポールにも試験会場を設置広域から受験生が集まることも同校の特徴のひとつだ。
取材中に見せてくれた、生徒たちの迷いの無いまなざし、未来を見据えた明るさが印象に残る。短期間で現在の進学校へと急速な進化を遂げ、教育におけるイノベーションを起こした同校だからこそ、世界を変える気概を持つ人材が育つのだろう。その内側に迫ってみた。

SPIRITS校訓「探究」「誠実」「気迫」を具現化した教育体制

教師たちは日々情熱をもって授業を行い、生徒の夢実現のためのバックアップを惜しまない。生徒や保護者の声に耳を傾け、やり抜く「気迫」をもって指導にあたる

教育に夢と可能性を追い求めた一人の政治家・田野瀬良太郎氏によって設立された西大和学園高等学校。2年後の1988年には、6ヵ年一貫教育による教育効果の向上をめざして西大和学園中学校(男子校)が開校。2014年には中学で女子学生の受け入れも開始された。
同校は創始者の精神からなる「探究」「誠実」「気迫」を教育理念に掲げ、次代を担うリーダーを育成するため全教員と全生徒が共に前進しながら新しいことに挑戦を続ける道のりを歩んできた。

LOCATION & FACILITIES古都の風情を感じさせるロケーション
2022年には新しい憩いの場となる新校舎が完成

同校が持つ青雲寮(写真右下・通学時間2時間以上の男子生徒対象)。中学生居室は8人部屋、高校生用は4人部屋。夕食後3時間の学習時間が設けられている。写真中央は2024年に完成した新棟。

生駒連峰を望むニュータウンの丘陵地に位置する同校。周辺には古墳群が点在し、世界最古の木造建築物群として知られる世界遺産・法隆寺も近く、古都の風情を感じさせるロケーションとなっている。
2022年には音楽室・スタジオ・視聴覚教室を擁する新校舎Rhythm(リズム)館が完成した。リズム館はナチュラルな木の質感と緑にあふれ、生徒たちの憩いの場となっている。広い敷地内にはグラウンド、テニスコート等があり、蔵書数37000冊の図書室や、近年リニューアルされた食堂も学生生活を豊かにする存在に。2024年には奈良県産木造校舎である新棟が完成。生徒たちは整えられた環境の中で、学習に勤しむことができている。

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