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知識を運用する力が、新たな“学び”をつくる

私学では6年間を通じて、自ら学び続けるための3つの力が養われます。順番に見ていきましょう。

①生き方を考える力

「社会はどうあるべきか、自分は何がしたいのか、できるのか。そのために自分はいま何をすべきか」を考える力で、将来、自分が進むべき道を自分で見出すための力です。逆境の時、順境のとき、いずれでも自分の道を切り拓ける力といえます。

②物事を研究する力

自分にとっての「新たな論理体系」や「未知の事象」を獲得していく力。蓄えた知識を運用し、新たな知性を生み出していくのに必要な力のことです。知識だけではなく、確かな学力になるものです。

③コミュニケーションする力

他者を理解し、自分が考えたことを表現し、行動する力。この「書く」「話す」といった表現の「技術」は、表現する「内容」、つまり他の2つを生かすための力といえます。社会で重視される基本の力です。
私学でこういった力が養われるのは、「教育理念」を核としたブレない教育が行われているから。ここが公立との大きな違いであり、私学が選ばれる理由でもあります。

カリキュラム

成長段階に合わせて中学校と高等学校でキャンパスを別に構える甲陽学院。理科では中1から「化学」「生物」「物理」といったように専門的に学ぶことができる

柔軟性に富んだシステムは、私学ならではのメリット

学習指導要領にとらわれない私学のカリキュラムは、各校の教育方針によって編成される。進路に合わせたコース編成や選抜クラスの設置、習熟度別授業などの工夫。時間割もリベラルアーツ型だったり理数教育重視だったりとさまざまで、大学付属校と進学校の違いも。学習進度をシラバスで明確にしている学校も少なくない。

情操・人間教育

日々の学校生活の中で般若心経を唱えるのは、真言密教の教えを教育の柱に据える、仏教系進学校の清風南海。座禅を組む機会もあり、自己内省の場となっている

心の教育も手厚く、感性を磨くこともできる

感性を育む情操教育や、人格形成に関わる心の教育もおろそかにしないのが私学。主要5科目だけでなく、芸術科目も手厚い学校も多い。放課後や土曜日に語学やコンピュータ、器楽など教養的な課外講座を設けていたり、芸術鑑賞会を頻繁に実施する学校もある。各校とも、理念に基づいた独自の取り組みを展開している。

授業

毎年、国公立大学や医学部進学への志向が強い白陵。「研究と訓練」を校是の一つとして掲げる同校では、どの科目も授業はアカデミックな雰囲気の中で行われている

私学の魅力は授業の内容の濃さと言ってもいい

実験・観察、レポート、調べ学習、創作、ディベートなどが盛んで、基礎・基本をベースに、生徒が自分の頭で考え、表現するような「生徒中心」の授業が展開されている。もちろん、研究熱心で情熱のある先生、独自の教材、少人数制、補講など、授業をサポートする要素も万全。ネイティブの先生による授業の多さも私学の魅力だ。

キャリア教育

洛星では中3の家庭科で「赤ちゃん講座」が行われる。近隣の母子数組を招いて、生徒たちが子育ての喜びや苦労を考える機会となっており、生き方をしっかり考える同校らしい取り組みに

進学だけでなく社会に出てからの生き方を考えられる

私学の高い大学合格実績は、キャリア指導の結果の一つとも言える。「何になるか」だけでなく「どう生きるか」を考え、自分・他者・社会・職業・学部学科(大学)を知って未来をデザインする指導がされている。ファームステイなど体験的な行事や卒業生の講演がある学校も。大学付属校をはじめ高大連携講座も盛んだ。

行事

小林聖心女子学院ではクリスマスの前に9日間の「プラクティス」という期間が設けられ、静寂の中でクリスマスを迎える。写真は、聖歌と生誕劇で祝うクリスマス・ウィッシング

学校独自の理念を確かめ、自分たちで伝統をつくっていく

私学は文化祭や体育祭などの行事が盛んで、教育理念を反映した独自の伝統行事も多い。そこには先輩たちから脈々と続く「伝統」を受け継ぐ充足感、自分たちで伝統の一部を変えたり、新たにつくっていく喜びがある。また単に楽しむだけのものではなく、授業の成果を生かし、自主性やリーダーシップを養う場でもあるのだ。

クラブ活動

多彩な学びとともに、活発なクラブ活動で知られる武庫川女子大学附属。中でも毎年全国トップレベルで活躍するのがマーチングバンド部。文化祭の開会セレモニーでもおなじみ

私学のクラブでは共に学び、共に生きる精神が育まれる

クラブ活動も多彩で、自分に合ったクラブに出合えるチャンスが多いのも私学の魅力。高校受験がないため中高とおして打ち込むことができ、協調性、忍耐力、自己表現力なども培われる。中高一緒に活動する学校も多く、先輩・後輩など異年齢との交流ができるほか、友人とも6年間にわたって濃い人間関係を築ける。

施設・設備

校内に研修施設を持つ大阪星光学院。同校には「共生」の精神があり、新入生は一週間ほど学内に泊まり、学習や祈りなど学校生活の基本を学ぶ。他に長野県・和歌山県に研修施設を持つ

学びやすさ、心の交流、安全面で最適な環境がある

私学は実験室などの特別教室、顕微鏡やコンピュータといった備品など、学習に結びつく設備が整っている。それが、学習の意欲や効果に大きな差を生んでいるのだ。毎日を過ごす校内には、友達や先生と語り合えるスペースが存分に設けられていることも。耐震構造、災害対策、セキュリティなど安全にも十分配慮されている。