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私学QUALITY
明治期の木造建築・本館で過ごす一年間
三田学園
https://www.sandagakuen.ed.jp
「中学本館」
国の登録有形文化財で伝統、ぬくもりを感じながら学ぶ
国際人にして第11代神戸市長も務め、三田学園の校祖である小寺謙吉。神戸で生まれ育ち欧米各国で留学経験を積んだ小寺氏が、父親の郷里である三田の地に英国の名門校イートン・カレッジを模して学校を設立したのは1912(明治45)年のことでした。緑あふれる広大なキャンパス内に建てられた木造2階建て校舎「中学本館」は、築後111年経った現在も中学1年生の校舎として使用されています。活用しながらの保存を目的とする〝国の登録有形文化財〞に登録された本館は、特徴的な中央玄関をはじめ正方形の教室、白い格子状の窓、木の廊下、洋式国の登録有形文化財で伝統、ぬくもりを感じながら学ぶ扉など当時の面影をそのまま残し、歴史的洋風建築物として圧倒的な存在感を示しています。
校長として2年目を迎えた眞砂先生にお話を伺いました。「私はいろいろな学校を見て参りましたが、まずは三田学園のこの自然、本当に素晴らしいと思います。春には桜、秋には銀杏の樹が黄金色に色づき、そして冬には校内の池に渡り鳥が飛来します。大学ならまだしも中学高校でこの広大な自然の中に学校があるというのは他に類を見ません。私は歩き回ることが好きでよく校内を歩きますが、至るところに石碑が点在しておりこの学校の長い歴史をいつも感じています。
そして、創立時より学園を見守り続けてきたこの中学本館。入学後の一年間をこの趣きある本館で過ごす生徒たちも、学園が大切に受け継いできた伝統を大いに感じながら過ごせているのではないでしょうか。木造の古い洋館なので、今風に言えばハリーポッターに出てくる魔法学校の情緒を感じる子もいるようです。この本館で彼らは非常に伸び伸び過ごしていると感じます。豊かな自然に恵まれ四季折々の風景のなかで過ごす6年間は、生徒の情操に良い効果をもたらします。また、この校舎の木のぬくもりも心をおおらかにさせてくれ、人間関係にも良い影響を与えていると思います。隙間風もしっかり入ってきますので、換気もバッチリです(笑)。
中学2年生にあがると新館に移りますが、移る前に次の新入生へのメッセージカードが本館内に貼られ、本館校舎は次の学年に譲り渡されます。卒業生などがこの校舎を訪れた際には『ここでもう一度授業を受けたい』と本館を懐かしむ声が多く聞かれます。本当の価値は、後でわかるものなのかもしれませんね。」
眞砂校長は海外の大学で学び海外生活も長く、世界に飛躍する楽しさやその価値を知っておられる方です。「私が経験してきた海外でのいろいろなことを若い教員や生徒たちに話し、伝えるようにしています。まずはこの三田の地に足を着け、自然と歴史を存分に感じながら勉学に励み、そしてグローバルな視野で海外に飛び出して行ってもらいたいと願っています。そこには進むべき選択肢が限りなく広がっています。」