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「キリスト教・読書・英語・体育・芸術」の5本を教育の柱とする関西学院。独自の教育を通して“いかに生きるべきか”を考えるとともに、豊富な知識をも習得。探究心、奉仕の精神を育む。中高大一貫教育でありその進級制度は厳しいが、のびのび過ごす生徒の姿からはキャンプや日々の鍛錬によって備わったであろう自信が感じられる。彼らが過ごす学び舎とは――

教育の場は「鍛錬の場」多彩なアクティビティを仕掛けて殻を打ち破る

関西学院中学部
部長 宮川裕隆先生

 本校はキリスト教主義を教育の理念とし、鍛錬と献身を合わせ持つ生き方こそが真の生き方であるとしています。世の中の役に立つためには個人の能力向上が不可欠であり、本校の学びをもって、個人として突き抜ける根性と出る杭として打たれない人間性を身に付けていきます。そのために学校は仕掛け上手となり、彼らの殻を破り個性を出せるほどの経験値を積ませることが必要です。無人島キャンプやメチャビーに加え、中学部の伝統である駆け足では週4日、一日に3キロを目標に走ります。まさに「日々鍛錬」です。そのような本校における活動の中で、のめり込んでやる子、躊躇する子、実にさまざまな子がいます。例えば泥まみれで行うラグビーであれば、身体も小さく縮こまっている子に敢えてボールを渡し「突っ込め!」と煽ります。終わった後、その子の「できた!いけた!」という自信にあふれた表情は、何ものにも代えがたい勲章となります。体験からしか自信は生まれません。私は生徒たちに「頑張ることは恥ずかしいことではない、一生懸命やったあとの失敗はオッケー」だと伝えたい。そして、ずるいことや汚いことはきちんと叱りますよと、保護者の方にも言える学校でありたいと思っています。結果として9割近くが関西学院大学へと進学しますが、彼らは学びたいことは関学でできると口にします。どっぷり関学につかっていただき、関学が持つファミリー感の中で心身共に自らを磨いてほしいですね。

1886年から始まる、ランバス・ファミリーの伝道と教育

米国南メソジスト監督教会の代表として遣わされたジェームズとメアリーのランバス夫妻、息子ウォルターらは神戸外国人居留地(現在の神戸市中央区)に「読書館」を設立し、そこを足掛かりとして伝道と教育活動を始める。読書館は後にパルモア英学院となり、それが関西学院や啓明学院のルーツとなっている。


  • 建築家ウィリアム・メレル・ヴォーリズは、関西学院第4代院長・ベーツとの親交が深く、1929年に西宮市上ケ原の新キャンパスに壮大なグランドデザインを描くことになる。甲山を背景にして時計台、中央芝生、正門が軸となり、その両脇に校舎が広がるという素晴らしい環境を生み出した。中高部はキャンパスの南端に位置している


  • 甲山の展望台から見た関西学院のキャンパス。大学院から中学部までの学生・生徒が学ぶ。緑の多い文教地区という立地で学生も多く、周囲は住宅街のため治安も良いと評判。

充実した学校図書館を最大限に活用する 多彩なアクティビティ!

図書館奥にあるパソコン室では、正規授業としての「読書科」が行われる。
担当教員かつ司書教諭の河野先生により、「本を読む習慣をつける」
「調べる方法やその技術を身につける」「高度情報化社会に対応する
情報活用能力を育成する」と段階的に指導されていく

中高それぞれに図書館がある。中学部図書館は70,000冊の蔵書を誇る。書籍やマンガ・雑誌に加え、3Dプリンターや生き物にも触れられる同館は校舎入口に近い場所にあり、食堂帰りの動線上に位置している。そのため待ち合わせやふらりと立寄る生徒も多く、試験前以外はとても賑やかなのだという。この日の休み時間にも先生を囲んで仲良く談笑する風景が見られ、あたたかい空気感に包まれた居心地の良い空間となっていた。ふかふかのローソファで寛ぐ生徒の姿もここの日常茶飯事となっている。


  • 同市内にある阪神甲子園球場が今年100年を迎えるにあたり、図書部では過去の同校対戦看板を復元。秋の文化祭に展示するため急ピッチで製作中


  • 「読書科」では校外学習で学んだことや調べたことを壁新聞にまとめる。調べ学習を蓄積していく「情報カード」による演習授業なども図書館で行われており、多岐にわたる情報活用学習が展開されている


  • 取材中、日能研の卒業生が話しかけて来てくれた。充実した笑顔を見せてくれることが何より嬉しい

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