中学受験応援サイト シガクラボ

*小田恵校長インタビュー*

 生徒の皆さんには、いわゆる5教科はしっかり身につけさせたいと考えています。大学に合格できれば、将来、社会に出てからの幅も広がり、より活躍できる人になれると思うからです。本校は、キリスト教の「他者を思いやる人間を育てよう」という教えをベースに、「心・頭・体(行動力)のバランスのとれた人材」を育てることが目標の学校です。
 生徒たちの気質の一端を表しているのが、図書館前に掲示されている多数の絵画。これは多くが、洛星の卒業生・その保護者の方の作品です。文化的・芸術的素養があり、人間的にも優しさを持った生徒が洛星には多いのですが、これは保護者の方の影響も大きいと感じています。
 そして、シャイな、いわゆるオタクっぽい生徒が多いですね。殻に閉じこもりがちでもったいないと感じています。外との関わり、それはクラス全員でなくても、自分と他との関係性を持つことで、他人がいてこその自分と分かってほしいし、ゆくゆくは周囲に影響力を持つまでになれればいいなと思っています。中高生の間に、小さな社会(洛星)の中で、いろいろと失敗を経験しながらも、それを活かし、成功させていく。それが社会に出たとき役立つ、行動力になると考えています。
 その例を1つ挙げると、英語が得意な「ハーバード大学次世代リーダープログラム」に参加したある生徒が「何を伝えたいのか?」を相手にうまく伝えられず、泣くほど落ち込むということがありました。洛星の生徒は、普段から満たされているからか、問題意識が少なく「世界のために何がしたい?!」と問われると答えにつまってしまったようです。なので、最近は、覚悟させてから行かせるようにしています。本校の生徒は恵まれていて、優しい子が多いのですが、欲を言えば、もう一歩行動力がほしいと感じました。
 ただ、洛星には、やりたいことをやる風土はあると思っています。試みる、やってみることは重要なので、教え込む以上に、環境を整えて、自分でやらせることは大切と認識しています。実は、学年トップで東大へ入学、そして外務省へ就職した卒業生がいたのですが、入ってみて「あ、ちょっとちがうな」と思って、起業しましたと私にメールで知らせてくれました。彼は、そんな洛星の風土で育ったからこその行動力を示してくれたと思っています。
  本校の生徒は、全体的に理系志向が強いですが、国語・文学に触れる文系も、人間を豊かにすると考え、大事にしています。他にも、芸術教育にも力を入れ、宗教の授業もあり、生命倫理の授業では、人工中絶やLGBTQをディベートの話題にします。結果、他者の命、個性、能力を尊重できる人間に育っていきます。
 本校に合う生徒は、いい意味で欲張りな子!また、今そうでなくても、そういう子になってもらいたいと思っています。9月初めの高校の合同朝礼で「貧(まずしい)と貪(どんよく・むさぼる)のどちらがいいか?」という話をし、「貧しいよりは、貪欲であってほしい」と伝えました。もちろん、聖書に「貧しい人は幸いである」と記載があることを知ったうえでの話ですが。「貧しい」は分けるに貝、「貪」という字は、今くれという姿勢が「浅ましい!」という見方もできますが、「今しないと!」という行動力ととらえてほしい、と伝えました。
 洛星に入学後、変わっていく生徒たちを見守っていくのはとても幸せに感じています。表現の仕方は、生徒それぞれで大いに結構なので、個性を発揮してほしいと思います。実は、本日夕刻に「内外教育」という時事通信社の雑誌の記者から取材を受ける中1の生徒がいます。弁護士になりたいというその生徒の行動力には目を見張るものがあり、期待しています。受験生の皆さんもぜひ、個性を輝かせに本校にいらしてください。


複雑に入り組んだ配線に悩ませられながらもねばり強く試行錯誤を重ねていくロボット研究部のグループ。ロボカップジュニアで、初代作成のロボットが1位、2代目は2位という輝かしい成績。昨年は、災害分野で、日本・ドイツ・ロシア代表で集まり、共同で大会を戦ったそうだ。

関連情報