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モノを、観る目。
長年取材をしていると、学校に一歩足を踏み入れただけで「いい学校だな」と感じるセンサーのようなものが働く。もちろん、この洛星という学校もそうだ。それは、施設や設備がスゴイというのとは少し違う。授業の豊かさであったり、先生と生徒の関わりだったり、あるいは生徒たちが学校生活の何気ない場面で見せる表情のようなものから感じられるものなのだ。ただ、「学校図書館」これは間違いなくその学校の文化力をはかるものさしとなる。いかに学校の中に教養があふれているか、魅力的な図書館がある学校にはリベラルアーツが息づいている。生徒たち自らが興味ある事柄を探究する風土が根付いており、それを支える書物があり、スタッフがいる。
放課後、生物部の活動の様子をのぞいた。中学生4名が食虫植物「モウセンゴケ」の葉の上に窒素を含んだ寒天を乗せ、反応するかどうかをじっと見つめている(左)。8つの目が一点に注がれる。動かない――。その様子を、遠くから顧問の先生が眺めている。
洛星を訪ねるといつも思う、生徒たちの誰もが科学者のような眼をしていると。時間があるなら演習問題を一つでも多く解け、たんにそれを望むなら、ここは来る場所ではない。