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学校名
見出し文
表紙

取材・文/橘 雅康(本誌編集長) 撮影/岩井 進
取材同行/森永直樹(日能研関西進学情報室長)、足立直広(日能研南森町校室長)

関西私学の中でも屈指の人気を誇る進学校があります。それが、幅広い教育を展開している高槻中学校・高槻高等学校。創立80周年を機にキャンパスを再整備、新たなクリエイティブスペースによって生み出される探究的な学びのスタイルは、同校の教育をより高みへと進化させています。 生徒たちが最も大好きな場所として口を揃える図書館は、「学びの森」として今日も好奇心旺盛な生徒たちの知的探究への旅を支えてくれているようです。2026年の初めに、同校の人気の秘密を探ってみることにしましょう。

英語「を」学ぶことから、英語「で」学ぶことへの進化

校長 工藤 剛先生

近年、同校の人気はとどまることを知りません。まずはこの現状をどのように受け止めているのか、工藤校長先生にお聞きしました。
「私が校長職を引き継いだのは2018年なのですが、前校長の時代から学校改革が大きく動き出し、スクールミッションの制定をはじめ、文部科学省からスーパーサイエンスハイスクールやスーパーグローバルハイスクールの指定などを受け、さらにコース編成を設けるなど本校の教育プログラムもかなり大胆にアクティブなものへと変わりつつありました。本校には大阪医科薬科大学というアドバンテージがありますから、『グローバルヘルス(人類全体の健康)』をコンセプトに掲げ、ほかにも京都大学や大阪大学、神戸大学などとも連携できる体制のもとで独自の研究課題に取り組んでいます。
本校は英国のケンブリッジ大学出版と連携し、本場の質の高い教材とカリキュラム、研修プログラムを用いています。中学の間はしっかりと英語の4技能を学び、高校では英語で学ぶことができればと考えています。
2020年の学校創立80周年で校舎を含む教育環境が整い、さあこれから本校の新しい幕が開けると思っていた矢先にコロナ禍がやって来たのです。共学一期生の入学が2017年のことで、かなり大きな期待をいただいていました。彼らは高1・高2でのカリキュラムを充分に消化できていませんでしたが、それでも結果を出してくれました。
2025年の春に共学三期生が卒業しましたが、彼らは海外とのプログラムなど、本校が柱の一つに掲げているグローバルな取り組みも謳歌することができました。高3では志望大学に向けて充分取り組むことができ、その結果として共学一期生、二期生が伸ばしてきた大学進学結果も大きく越えてくれたのです。
教育というのは同じ学年で、横並びに行われるものだとイメージされるかもしれませんが、本校の『GA』『GL』『GS』という三つのコース制では探究活動の課題研究の発表会をコースごとに行いますから当然縦の繋がりで動くことになります。先輩の取り組みを下の学年の生徒たちが見て、先輩たちも後輩に対しては丁寧に説明して教えます。こうした異年齢の交流のもとで、国際教育や科学教育がうまくミックスできたということでしょうか。受験生や保護者、もちろん中学受験への指導をされている進学塾や教育業界の方々にもしっかりと本校の取り組みを見ていただけているというのは、本当にありがたいことだと痛感しています。皆さんの期待に応えられるよう、常に教育内容のブラッシュアップをしていきたいと思います。」

学びの中心にある「ACTIVE LEARNING COMMONS」

英国の名門大学を思わせる、大きな吹き抜け空間が印象的な図書館。校舎の中央に位置し、ここがリベラルアーツ教育の中心的な役割を担っています。紀伊国屋書店のスタッフ7名がサポートする、関西でも最大規模の図書館で、「アクティブラーニングコモンズ」という名の通り、館内には多目的に活用できるスペースがいっぱい。シックな色調の内装と重厚な書棚に囲まれた小部屋や広い自習スペースも備えています。

サイエンス教育とグローバルヘルスマインド

同校は、大阪医科大学の理事長を務める藤堂献三先生が地域の教育的な要請を受け、京阪電気鉄道など多数の協力を得て1940(昭和15)年に男子校として設立されました。京都大学を中心とした難関国立大学への進学者を大勢輩出する男子進学校として長らく歩んできたのです。女子生徒の受け入れを開始し共学校として新たなスタートを切ったのは2017(平成29)年ですが、それに先んじて、2014(平成26)年には創立時より深い関わりを持つ大阪医科大学(現・大阪医科薬科大学)と法人合併が行われています。
大学の持つ最先端の医学や生命科学分野の研究と素晴らしい人材を活用して、スーパーサイエンスハイスクール(SSH)として一歩を踏み出しました。現在、大阪医科薬科大との中高大連携プログラムとして、高校生を対象とした「基礎医学講座」「医学部実習」、中学生も対象とした「基礎薬学講座」なども行われています。
リベラルアーツを中心とした探究型の教育をベースに、SSH指定校としての先端的な生命科学系教育、さらに高い語学力と卓越した国際感覚を育むグローバル教育が教育の軸として据えられました。

探究活動が教育の軸に

中3「理数探究基礎」では普段は実験ですが、この日は2クラス約90名がグループに分かれて、図書館で調べ学習。国内外の科学分野の偉人を調 べ、レポートに仕上げるという取り組みも行っています。「アクティブラーニングコモンズ」は、中心に配置されたスタジオを起点に、円形にデザインされた探究空間。討論やプレゼンテーション はもちろん、協同ワークに適しています(写真・左)。図書館の2階には長さ約40m、36席の自習スペースがあります(写真・右)。


  • アイデアを形にする創造的な生徒たち
    宇宙エレベーターの実演をするのは電気物理部の面々。プログラミングや電子工作、ICT関連のスキルを日々高めており、校外のコンテストなどにも積極的に参加しているとか。文化祭での展示発表も人気。


  • 大阪医科薬科大学との連携した取り組みで知られる同校。国内屈指の教育プログラムとして評価は高い。

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