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設計は18期生の建築家・能勢修治さん。古江の丘に最新の新校舎が誕生!
下のCGによる2枚の外観パースを見てほしい。新校舎は、現在の前庭にあたる部分に仮設工事を伴わずに造られる。現校舎の普通教室は64.8㎡だが、新校舎では85.5㎡とより広く快適な空間になるほか、新たにラーニングスペース・メディアセンターが設けられる。さらにバルコニーや屋上テラスなど生徒たちが多目的に活用し、くつろげる憩いの場もできる。第1期工事の後、2026年12月には引越が行われ、6学年(24教室)のうち18教室が新校舎へ、6教室が西館へと移動。第2期工事が終わる2027年12月には、全学年が晴れて新校舎で授業を受けることになる。従来のようにホームルームで担任を交えて昼食をとることに教育的な意義を認める同校らしく、食堂の新設予定はない。

現在の校舎は、創立50周年の折に創設時の校舎の面影をそっくりそのまま残し、耐震補強とともに、窓枠などのリノベーションが施されたもの。あれから20年の時を経て、新校舎建設への運びとなった
Ignatian Leadership Program創立の理念を具現化する、独自のプログラムが魅力
「Men for others, with others」という言葉はペドロ・アルペ神父が語った言葉で、社会や他者に仕える人になってほしいという思いはイエズス会系列校に共通する理念となっている。長らく「IP学習」と呼ばれてきた広島学院ならではの総合学習は、いま「ILプログラム」という名称となり各学年で取り組まれている。これは「Ignatian Leadership」の頭文字を取ったもので、「聖イグナチオに学ぶリーダー像」という意味を表している。中1で広島学院のルーツを学び、学年が上がるごとに人々との関わりを広げ、高3では人生をどう生きるかまで考える。
高2・ILP講座「命どぅ宝学」
この講座には毎年約10名が参加。12月下旬に沖縄本島の中腹(読谷村)から、沖縄本島の南端、ひめゆり学徒が自決した荒崎海岸までの80~90㎞を4日間かけて歩く。これは第二次世界大戦時、アメリカ軍が侵攻し沖縄の人たちが逃げた足跡と重なっている。生徒たちの食事は基本的に栄養補助食品と水、スポーツドリンクのみ。講座を担当するのは沖縄に詳しい英語科の伊藤潤先生(写真)。取材の日は沖縄フィールドワークの事前学習として、沖縄戦で白梅学徒隊として野戦病院で看護にあたった中山きくさん( 2 0 2 3 年没)について学んだ。中山さんは、50歳で意を決し、94歳で亡くなるまで沖縄戦の語り部として広く沖縄戦の実相を伝えたことで知られる。
高1生を対象に講堂で行われたのは、外務省によるODA出前講座。この日の講演は「日本の開発協力~外務省の仕事とODA」と題され、外務省国際協力局の村林弘文さんが講師を務めた。プレゼンテーションにおいてはクイズ形式で生徒たちの興味をひく場面も……