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2025/02/13

【概況PART.1】

2025年入試の注目はやはり、「大阪府における新しい高校授業料無償化(所得制限の撤廃)による私学志向の高まり」です。そんな情勢の中、子どもたちはそれぞれの志望校に向けて全力で挑みました。そこにたどり着くまでのそれぞれの頑張りに称賛を送りつつ、2025年入試の概況を見ていきましょう。

2025年入試における近畿二府四県の中学受験率は?


 今年の近畿二府四県の中学入試開始日は1月18日(土)。受験者数は約17,583人と、昨年より250人ほど増加となりました。実数として3年連続の増加は2000年以降初めてのことです。

 今年度の小学6年生児童数は167,125人で昨年より3,160人減少していますが、2025年入試の中学受験率は約10.52%に上昇。これまでの最高10.47%(2007年)を超え、過去最高の中学受験率となりました。14年ぶりに受験率が10%を超えた一昨年に続き3年連続での大台超えとなっています。中学受験率は10年にわたって上昇しており、私学志向は高まり続けています。総志願者数は65,477人、平均出願数は3.72校でした。

 入試回数は、初日午前126回、初日午後66回、2日目午前72回、2日目午後44回となり、初日・2日目の入試回数は全体の約71%となっています。前期試験だけでなく後期試験の設定など、同じ学校でも複数回の入試を設定している学校も多く、関西エリアでは全体として一週間近く続く入試となっています。ただ実際には午後入試の設定もあり、初日と2日目で志望校の合格をほぼ勝ち取る短期集中型の入試だと言えるでしょう。


高校授業料無償化の影響は地域で顕著に


 関西で中学受験への注目が高まっている要因の一つが、大阪府で昨春から段階的にスタートした高校授業料無償化です。所得制限が撤廃されたことで大阪府民全体が対象となり、高校の授業料が実質無料となるため、これまで私学を選択肢に入れていなかった家庭も私学への進学に目を向けるようになりました。首都圏を含む中学受験業界全体の見解としても「今後、中学受験の勢いは増す」とされており、関西でも注目傾向が続くと予想されています。

 2025年入試では大阪での受験生が増加。昨年より約500人も急増しており、入試の難易度にかかわらず全てのレベル帯で増加していることから無償化の影響によるものと見られます。その裏付けとして、大阪から他府県への受験生減少が昨年より大きくなっています。また近年、大阪市内への高所得層の流入が増え、大阪の中学受験率は過去最高を記録しています。私学フェアなど合同相談会にはこれまでよりも多くの低学年層の保護者が参加しており、大阪府内での私学への関心の高さがうかがえます。一方、兵庫では男子校・女子校での減少が目立ち、2年連続の減少となっています。

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