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SPIRITS「心を清くし 愛の人であれ」それが、同校の教育理念

ナミュール・ノートルダム修道女会創立者である聖ジュリー・ビリアート(1751~1816)の生きた時代は、フランス革命をはさんだ激動期だったと言います。それは、紛争の絶えない混沌とした現代社会にも通じています。多くの物事が短絡的に、実利的にとらえられがちな現代だからこそ、常に正しい価値判断ができるよう、祈りの場を通じて自分と他者、あるいは社会との関わりを見つめるのが同校の宗教教育とも言えるのではないでしょうか。

祈りで始まり、祈りで終わる生活。
ここは女子教育に捧げたシスターたちの熱い思いを感じる場所

「何か弾いてみて」と声をかけると……
オルガンを弾いて歌ってくれた生徒たち。屋上の鐘を鳴らすなど思い思いに時間を過ごす。時には古き時代に思いを寄せながらも、常に笑顔は絶えない

中3「宗教」の授業は、聖堂のある旧修道院で行われていました(写真上)。聖書のことばをみんなで分かち合った後、創立当初からシスターたちの住まいとして使われていたこの建物を、みんなで見学することになりました。「ここは当時のモダニズムデザインが残された美しい建物なのですが、老朽化が進んでいることもあり、聖堂部分を残して一部は解体することになります」と担当の田畑先生。


  • 屋根裏に残されていたのは、1955年の創立時にシスターたちが持参したトランク。眺めているだけでとても胸が熱くなった。今後も保存し、学園の精神を伝えるオブジェとして展示してほしい


  • 「無垢材の低書架を配置することで、見通しの良い温かい雰囲気の空間となっています」と司書教諭・竹舛先生。写真左は、図書館で新聞の社説をまとめる中3「現代国語」の授業。「社説は『事実』と『主張』を見分けながら要約しましょう。」と野村先生

LESSONS厚い信頼関係のもとで行われる、生徒が自ら進んで学びとる授業

高1「数学」は、点と直線の距離を求める演習を終え、
山﨑先生が五心(重心・垂心・外心・内心・傍心)について説明中

広島を代表するトップ進学校だけあって、生徒たちの授業に取り組む姿勢はさすが。凛とした姿勢に折り目正しさを感じます。演習問題に取り組むときには、取材のカメラにも全く気付かないほど集中する様子も見られました。「生徒一人ひとりの能力を伸ばしたい」と願う先生方と生徒たちの距離感はとても近く、どの教科の授業をのぞいても、先生方の説明に首を縦に振ってうなずきながらノートを取る生徒の姿をよく見かけました。


  • 『プログレス』を使用した関野先生の中1「英語」の授業。先生の絶妙な声掛けに、生徒たちの活気のある発声が教室内に響く


  • 授業の始まりと終わりを告げるチャイムの間は、瞑黙で心を鎮める


  • 平面上の相対速度を作図するのは、隅野先生が担当する高1「物理」。プロジェクターによる動画なども使いながら、二つの物体が実際にどのような動きを見せるかも検証


  • 中2「オーラル・コミュニケーション」を担当するのはマフッド先生。この日はヘビーメタルやロック、ヒップホップやジャズ、クラシックなど、さまざま音楽のリズムをヒアリングして聞き分けるという授業