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寮にあるクライミングウォールは専門の指導員のもとで体験可能。色とりどりの「ホールド」の中に、HOKUREIの文字を見つけることができるだろうか。
2023年6月取材

1985(昭和61)年の開校以来、完全中高一貫体制の男子校として着実な歩みを続ける同校。全校生徒約750名のうち、「青雲寮コース」に在籍する生徒が約半数を占める。東京大学をはじめとする難関国立大学や医学部への手厚い進学指導、生徒たちの探究心をくすぐる様々なアクティビティーは高い評価を得ており、地元の北海道はもちろん、東京・名古屋・大阪・仙台の試験会場で受験してきた大勢の子どもたちが入寮し、学校生活を謳歌している。今回、校長で寮監長を務める谷地田 穣先生に校内を案内していただいた。

独自のアクティビティーで育まれる開拓者精神!

 「本校は創立から、2023年で38年になります。私自身が校長に就任して11年目になりますが、これまでを振り返ると、本物志向を貫く本校独自の『8つの探究型プロジェクト』もある程度成果となってきたのではないかと実感しています。これは、語学や国際理解を深める『グローバルプロジェクト』、自然科学や航空宇宙工学まで幅広い取り組みを行う『サイエンスプロジェクト』、医学を志す上で必要な倫理観や医療知識などを学ぶ『メディカルスクール』、地元の自然や歴史・文化に触れる『北海道プロジェクト』、法律の大切さを体得する『ロースクール』、経済への理解を深め起業家精神や企業のリーダーを育む『ビジネススクール』、プログラミングを通じて論理的な思考能力を学ぶ『プログラミングアカデミー』、そして芸術や芸能などで感受性を養う『北嶺カルチェラタン』という8つのプログラムを通じて、生徒たちの人間力を高める取り組みです。 本校では、2023年3月の卒業生126名のうち、31名が現役で国公立大学の医学部医学科に進みました。先の『メディカルスクール』での取り組みでいえば、最新医学の講演会や現役医師とのワークショップのほかにも、実際の医療現場に足を運んだり、僻地医療などについて学んだりする機会もあります。
 ほかにも、高校の修学旅行ではハーバード大学やMIT(マサチューセッツ工科大学)、NASA(アメリカ航空宇宙局)を訪ねたり、全校生で劇団四季の『リトルマーメイド』や東儀秀樹さんの雅楽演奏に触れたりと、琴線に触れる本物体験によって教養を深めてきました。今後もさらに内容を深めていきたいと思います。」

LOCATION高原リゾートを想わせる環境の中、学校と寮が一体となる学びを実現

先生方は「山の中」と言われるが、周囲の山々の標高は低く、むしろ爽やかな高原といったイメージ

寮のある男子進学校と聞いてどのような学校生活を思い浮かべるだろう。関西エリアからは、大阪国際空港・神戸空港・関西国際空港から新千歳空港まで片道約2時間のフライト。ずいぶん遠いが、北海道ならではのダイナミックな体験が目白押しで、ロケーションを最大限に活用した教科教育や校外学習が行われている。ほかにも、ボルダリングや整備された裏山のコースを駆けるバギー、ドローン操縦など、同校には好奇心旺盛な生徒たちが楽しむアクティビティーがいっぱいだ。


  • 写真上は、校舎から寮へと続く長い廊下。反対に、寮から校舎を見たのが左の写真。外側はガラス張りの自習スペース、内側には多目的活用のできる特別教室がある。


  • バギーやスノーモービルもあり、申請すれば生徒たちが楽しむことができる(写真上)。寮のエントランスホールには暖炉があり、薪の炎が心を落ち着かせてくれる