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来年で創立70周年を迎える同校は、東大・京大・医学部コースの「Veritas」、難関国公立大学コースの「Caritas」の2コース制などの改革をスタートさせて10年目になるキリスト教系カトリックの学校だ。1学年3クラスという家族的な雰囲気を大切にしつつ、「全授業のアーカイブ化」・「全教室ワイドプロジェクターの設置」・「タスク管理システムアプリの導入」の3点セットで、「淳心学院のDX(デジタルトランスフォーメーション)化」に邁進している。

2023年5月取材

本校には生徒みんなが安心して学校生活を送れる土壌があります

同校で30年間教鞭をとってこられた藤村雄二校長先生。
副校長時代に、多くの学校と交流する中で、
同校の特異性に気づき、爾来、学院全体の刷新を進める

 「世界遺産 姫路城のすぐそばというロケーションや、キリスト教のカトリックという宗教をベースとした本校は、ともすればその魅力だけで語られることもあるかもしれません。しかし、それ以上に、少人数規模だからこその家族的な学校であることが、本校の自慢です。生徒は大事にされていると感じ、結果、自己肯定感が高くなり、させられるのではなく、自己認識をもってすごせています。これは、成長過程の中で一番大切なことで、目に見えない本校の教育プログラムの成果だと思います。生徒が楽しく通うことは、簡単なようで難しく、気持ち次第で、伸びる子、伸びない子がいます。生徒たちの個性と能力を存分に発揮してあげられる教職員がいて、子どもたちが信頼を寄せてくれるからこそだと思います。『同心同意』という本校のスクールモットーには、生徒、教職員、保護者が生徒の成長の実現という目的のため、緊密に協力しあっていくという意味もあります。生徒を人として大事にする学校。結果、のびのび、にこにこできて、将来、わくわくできる学校と自信を持って言えるのが本校の魅力です。ちょっと偉そうな言い方かもしれませんが、淳心学院をよりよい学校にするためにいろいろな学校を参考にしたいと思いましたが、淳心学院のような学校を見つけることができませんでした。男女の性差を気にすることなく、男子が安心してのびのび楽しくできる家庭的な学校は、一番大事な思春期を過ごす学校として、大きな存在意義があると感じています。家庭的な進学校である本校は、ガシガシの進学校にはなれないですし、なるつもりもございません。生徒を大切に育てていく。経営のための教育はしたくない。あくまで良心的な学校でいたいと考えています。」

LOCATION世界遺産・姫路城の東側に位置し、校内のあちこちからその威容をうかがえる!

姫路といえば、やはり世界遺産で国宝の姫路城。その東側に、3階建てで堂々と佇む校舎は、お城をモチーフにデザインの調和がとられている。屋上からは、外堀の遺構や、門の跡の石垣が見える。屋上から西側を見ると、城マニア垂涎の景色が広がる!この歴史的建造物のそばで、あたたかい家庭的な雰囲気の先生のもと、安心して通う生徒たちの姿が微笑ましい。

LESSONS改革10年目を迎えた淳心学院 教育のDX化に邁進中!

校長先生の熱い想いにより「全授業を録画してアーカイブ化」に踏み切る。「一人ひとり与えられている生徒の才能を、一人も取りこぼすことなく、最大限発揮できる環境を実現しようと考えました。録画があれば、いつでもどこでも何度でも授業を視聴でき、内容を再度確認して学習を進められます。また、数日欠席した生徒、あるいはなかなか学校にくることが難しい生徒も、テスト対策や授業視聴を自宅ででき、気持ちよく学校に戻ってこられます。生徒にはそれぞれ能力があって、それをきちんと育てるために、一人ひとりの能力を信じ守っていくことが大切です。」


上は、歌丸先生の高1B組、情報の授業。生徒の机上には一人1台タブレットPC。「例えば、宙に浮くバイクなどのアイデアは著作物ですか?」「×」「名画の複写写真は著作物ですか?」「本物との境があいまいになりつつあるが、現時点は×。ガラケーは20万画素だったが、今OPPOは、1億万画素だからね」と生徒に問いかけながら、テンポよく授業が進む


高1A組、安岡先生の英語の授業。長文にマーカーで次々と注釈を加え、説明されていた

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