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思春期から青年期をここで過ごす意味

キャンパスの中央に、大きな池が広がる。

こんな学校は他に例がない。池を取り囲むように大樹が重なりあい、四季それぞれの表情を見せる。しかも年中、野鳥のさえずりが響きわたるという自然豊かな環境。毎年冬になると渡り鳥である鴨が何羽も飛来し、生徒たちにとっては野鳥の観察スポットにもなる。

森に囲まれた洋館は、明治時代に建てられた中学本館で、国の登録有形文化財に指定されており、今なお現役で大切に使われている。中学一年生は、三田学園での学校生活最初の一年間をここで過ごすことになる。まるで映画のロケにでも使われそうなクラシカルなたたずまいの中で過ごすわけだ。

「まず、三田学園の伝統を肌で感じるというのでしょうか。新入生はこの本館での生活を経て、晴れて本校の生徒になると言ってもいいでしょう。その後、中学二・三年生は隣の新館へ、そして高校棟へと移っていくことになります」と入試広報主任・平内秀樹先生。

大学を出るとすぐに教壇に立ち、35年にわたり三田学園の教壇に立ってきた松井忠幸校長もこう語る。

「私もこの校舎で過ごした経験を持つ一人です。私が生徒として在学していた当時から長い時を経た今も、子どもたちが同じ校舎で過ごし、個々で得た経験を共有し、語り合えることができるというのは、まさに宝物ですね」と。

都心ではけっして味わうことのできない環境だが、実際のところ、JR福知山線「宝塚駅」から「三田駅」までは5駅、乗車時間はわずか15分ほど。大阪駅からでも快速で40分程度しかかからない。ここから神戸電鉄に乗り換えて2駅、「横山駅」で降りると、目の前が正門だ。

この区間は武庫川の渓谷に沿って線路が敷かれ、ちょっとした旅の風情を感じさせる。この景観によって、都心から遠い学校だという印象を持つ方もいると聞くが、実はこれが学校生活を送るうえで大切な役割を果たしているように思えてならない。通学範囲を広く俯瞰した時、大阪市街や宝塚から学校へと至るアプローチとして機能し、家庭と学校との生活意識をやわらかく切り替える「舞台装置」としてとらえることができるからだ。

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