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『まことの人間をつくる』――甲南女子はこの建学の精神を基盤に、知性と品格を備えつつ時代を生き抜く女性を育成してきました。他に尽くす思いやりの心を育てる取り組みとして、交流の場を多く用意している同校。生徒たちはここで信頼できる先生と出会い、先輩と後輩が互いに支え合う関係の大切さを学びます。その「絆の強さ」こそが同校の一番の特長であり、その結びつきは生涯にわたって彼女たちを支え続けるのです。
*校長インタビュー*絆、探究活動、留学制度など個性が開花する充実した環境
本校には生徒たちのパワーと活気がいつもあふれていて、皆楽しく伸び伸びと学校生活を過ごせていると常日頃感じています。そのパワーの源は、特に〝人と人とのつながり〞にあるようです。穏やかに生徒の話に耳を傾け、面倒見の良い教員たち。6学年縦割りで行われる体育大会での団。高2生が中1のクラスで見守りと指導を行う年級委員。他にも本校ならではの部活動や各行事での交流など、同学年だけでなく異年齢の人と幾度もつながる環境が本校にはあります。そして、紡がれた絆を基盤に、各自が好きなことや興味あるものに存分に満たされて各々の個性が開花していきます。異性の目がない女子校ならではの環境も、その人らしく伸び伸び成長する一助となっています。
学習面に関して、本校では望む進路を可能にする学力を身に付けていくことはもちろん、英検対策講座などを充実させ、世界を見る機会となる留学制度の充実に力を入れています。また、2025年度より探究活動において系列校である甲南女子大学との連携授業をスタートさせます。大学の先進的機器を存分に利用できることは、生徒たちにとって良い刺激となります。また、大学教員らが生徒たちの探究活動に積極的に関わることで、生徒たちはより鮮明な未来像を描くことが可能となるでしょう。
本校の卒業生たちは、人生の確固たる目標を持って邁進し、それぞれの場所で夢を咲かせています。そして驚くほどの愛校心を持ってくれており、在校生のために話をしてほしいと頼めば我こそはと皆が願い出てくれます。卒業生同士のつながりも活発で、何かあれば励まし合える生涯の友人を甲南女子で得られたという声も多く、大変嬉しく思います。
校内には、生徒それぞれの推しポイントがあるようです。友達とゆっくり話せる場として人気のアトリウムは職員室の前に位置しており、生徒からの質問を受けて丁寧に解説する教員らの姿がよく見られます。その光景が微笑ましく、私にとっても大好きな場所の一つです。
説明会などの折にはぜひ本校に足を運んでいただき、学生生活をイキイキと過ごす生徒たちの姿や学校の雰囲気を感じていただきたいと願っています。
SPIRITS壁一面の学園沿革と2つの校歌。「伝統と創造」を重んじる甲南女子の絆の強さを感じる
2012年の新校舎完成を記念して作成された壁一面の学園沿革には、学園の歴史的出来事が写真とともに紹介されています。甲南女子には式典の時に必ず歌われる第一校歌とは別に「第二校歌」が存在し、この第二校歌は高3生の作詞・作曲によって作られ、毎年変わります。次学年の全校朝礼では先輩たちが作った第二校歌が歌われ、新たな第二校歌がまた下の学年へと受け継がれます。1927年から続くこの第二校歌は沿革の壁の内蔵スピーカーでいつでも聴くことができます。
同校のサブバッグは神戸元町で創業した子ども服ブランド「ファミリア」による甲南女子オリジナルデザイン。創業者の一人が同校卒業生であることから実現した。
人の往来が多い場所に建つ石碑。『まことの人間』とは何か、『まことの人間』としてどう生きるか。校訓「清く 正しく 優しく 強く」を胸に、中高6年間で自分だけの答えを見つけていく。
それぞれのワードを行動や考え方の指針とすべく、自らに落とし込んでいる。学校生活の中で折に触れて生き方を考える機会があり、生徒たちの意識を高めていく。
LESSONSコース制、探究活動、留学。確実な学力定着につなげる
「自律を支える学力の充実」を教育目標に、「Sアドバンスト」「スタンダード」2つのコースを展開。探究活動など自主性を育てる授業や留学などの国際理解に力を入れる特色を持ち、英語・数学は習熟度別に少人数で行うなど両コースともに成長段階に適した学習指導が行われています。また、人と人とのつながりを大切にした同校らしく、「自他を尊重したコミュニケーション」を学ぶアサーション教育にも重きを置いています。探究活動や高校の選択講座では隣接する甲南女子大学の教員による講義を受けることも可能です。
中2・古川先生による「英語」。この日は「受動態の否定文と疑問文をつくる」。退屈・満足・怖いなどの感情で用いる前置詞を使い分けていく。古川先生考案の前置詞使い分け術に、取材陣も納得!
「数学」を通して論理的思考を養う。答えに至るまでのアプローチが奥深い。高1・谷口先生の数学では「等比数列の和」を学ぶ。『数式は美しい』が口癖の谷口先生の授業はテンポ良く進行していく。甲南女子では季節必修講習、指名補習などの手厚い指導も組み込み、中高6年間で国公立大学進学を熟慮したカリキュラムが組まれている。
授業の雰囲気は全体的に真面目で教師との距離も近い。中1・中2の授業にはあどけなさが残るが、学年が上がるにつれて授業への集中力は上がっていく。
受験対策として、季節講習の他『共通テスト対策講座』、『国公立大2次試験対策講座』等、学力向上を目指した講習が用意されている。
甲南女子大学の行う講義を高校3年生の生徒が受験できる「高大連携講座」は生徒からも好評。
中2「国語2」の授業、松原先生が自宅で録音したラップ調の古典文法のミュージックが5分以上続いた。既に記憶に定着済のようで、生徒たちは「こ・き・く・くる・くれ……」と大合唱。誌面上でお聞かせできないのが残念でならない。
被服教室で行われる乾先生の「ライフデザイン」は選択授業のひとつ。“生活を豊かに”をテーマにして実施されている。1学期にはミシンを使って浴衣を製作、着付けまで行い、2学期は編み物や刺繍など各人好きなものを製作するなど、きめ細かい作業を楽しんでいる。
おばあちゃん手作りの刺繍台で、丁寧に仕上げていく
中1・岸先生による音楽の授業では毎年11月に行われるコーラスコンクールに向けて練習が行われていた。コンクールはクラス対抗で行われ、代々中1の開幕演奏から始まる。金賞銀賞銅賞の他、教員の投票によるコンクール大賞も選ばれ、クラスの絆を深める行事となっている。
新しいデザインとなった体育ジャージ