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常翔学園中学校

常翔気流に乗らないか

  • ガリレオプランで「ロボットを用いたオンライン授業の改良」に取り組む様子

大学研究室を駆け巡る「ガリレオプラン」

まずは一貫コースⅠ類、スーパーコース、薬学・医療系進学コースの生徒たちが取組む科学探究授業を紹介しよう。
高校生が最先端の教育・研究を行う学園内大学(大阪工業大学・摂南大学・広島国際大学)の研究室を駆け巡る。同校が文科省からスーパーサイエンスハイスクール(SSH)の次期指定を狙うホンモノの科学探究学習が「ガリレオプラン」だ。
1年生ではまず、プログラミングやデータサイエンスの基礎を学び、2年生からの研究テーマを模索し、リサーチクエスチョンを設定する。2年生になると「物理・化学・生物・数理探究・情報科学・人文科学・社会科学・イノベーション」の8つに分かれてゼミ形式で研究の基礎知識を学んだ後、それぞれのテーマで研究活動を始める。
各チームは実験や観察、調査を繰り返しデータ分析。それぞれ学園内大学の研究室からレクチャーを受けながら、まずは文化祭でのポスターセッションへ。さらに研究を深め、最後は各ゼミ内での予選を勝ち抜いたチームが校内研究発表会に出場。教授陣、来賓を前にOITホールで発表し、1年間の成果を競う。
19年度、最優秀賞に輝いたテーマは「日常生活にロボットを取り入れよう」(イノベーションゼミ)。審査員特別賞には「宝塚歌劇団×社会学」(人文科学ゼミ)が選ばれた。
3年生になると、研究・調査の成果を論文にまとめる。ここでは、英語論文にチャレンジするチームも。
研究テーマには「音波利用によるモデルロケットの頂点高度測定」(物理ゼミ)や「線虫の嗅覚に関する研究」(生物ゼミ) など、その内容は、高校生レベルをはるか超えるものばかり。生徒は大学で高精度な計測や解析をしながら、次代を見据えた研究・発表に励む。文系分野からも「幸福と教育について」や「マスクの将来の展望」など人類が継続すべきテーマにも取り組み続ける。

行政と一体で取り組む探究教育「Osaka City Project」

学校の所在地である大阪市旭区。その区役所の高校生インターンとして、区が抱える諸問題(教育、まちづくり、防災など)の解決に取り組むのが、一貫コースⅡ類と特進コース2年生による「Osaka C ity P roject」。まずはフィールドワークで自分の目で現状を体感。問題点を洗い出し半年間で提案を策定する。
解決策の提案は、まず各課において10分間で発表。これを勝ち抜いたチームによるさらなるプレゼンテーションのうえグランプリ・準グランプリが決定される。提案内容は、区役所で検討され、実際に運用された例も。19年度、企画広報課のミッションに取り組み優勝したチームの動画は旭区役所等で公開されている。

中大連携も目白押し PBLの先駆的存在

学園内大学が整う同校では中学から連携授業が充実。大阪工業大学の環境工学科とは、水質など学校を臨む淀川の環境を考察。「ロボットと作る未来の生活」をテーマにロボット工学科ともコラボする。摂南大学の薬、看護、法学部との連携講座も。中学はいまや「クエストカップ全国大会」の常連だ。
同校は課題解決能力が絶対的に求められる時代を先読み。高校は15年間、中学校は11年の開校時から課題解決型学習(PBL)を推し進めてきた。同校の「探究」授業は生徒の主体性が違う。多くの授業は将来の進路選択、その先のキャリアへと繋がっている。

全授業でICT教育を実践 右肩上がりの進学実績

同校では17年から生徒1人1台にタブレットを配布。授業前には分野や難度に合わせた教材を事前に配信。授業ではファイルを共有し、生徒同士の協働学習に活かす。面談でもデータを見ながら指導。家庭学習も、学校と変わらない学びの環境を整えている。
授業風景はこうだ。生徒教員間だけでなく、生徒間でも資料をタブレットで共有し、その内容に関してディスカッション。タブレットでプレゼン資料を作成し、発表の練習。タブレットを利用して課題の配布や提出、科目によっては音声データの提出を行うこともある。
コロナ禍の休校時もこれまでの取り組みから、教職員のスキルを生かしスムーズな生徒対応が可能だった。Google Classroomを使用してホームルームを構築。Meet機能でのオンライン朝礼・小テスト。生活パターンは通常登校時と変わらない。健康チェックも万全だ。
生徒は担任や授業担当者から配信された双方向ライブ授業、動画や教材・課題等をチェックし、自身でこなす。質問や発表もメール以外にWEB上の対面で対応。すべて通常の時間割に沿って実施し、規則的な生活の維持につなげた。
ICTの「C」はコミュニケーション。双方向だからこそ、生徒の学びは主体的になる。同校は4年前、ICT教育を導入したときから、この「C」を最大に意識。
「大学入試改革を背景に、主体性を評価する特色入試の入学定員に占める割合を増加する動きが加速している。このようななかで、常翔学園も系統立てた探究活動により学力だけでなく主体性も育むことで、特色入試でも合格者を輩出していく」
同校の大学合格実績は右肩上がり。総合型選抜・学校推薦型選抜でも注目を集める。そこには「理解・分析・構成・伝達」するチカラをつけ、ヒトとセカイに通じるICT教育がある。

タブレットのデータをもとに「探究」授業で議論する様子

常翔学園中学校・高等学校

21世紀型スキルを身に付ける中大・高大連携のプログラムが多彩。モーニングテストやフォローアップ補習も実施。月水金は放課後に18時まで「学習タイム」を設けて自学自習できる生徒を育成。中高6年一貫はⅠ類・Ⅱ類の2コース制。Ⅰ類は難関国公立大学を目指すコース。

〒535-8585
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