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甲南女子
ACTIVE×ELEGANT未来を生きる凛とした女性を育む!
国内外で大きな節目となる2020年は、甲南女子の創立100周年にあたる。同校は自由主義と教養主義に裏打ちされた英米の創造教育を背景に設立された進学校。伝統ある校風とともに、時代に即したさまざまな学内改革によって人気を集めている。

校舎屋上に広がる360度のパノラマ風景。色鮮やかな芝生が広がる屋上からは、阪神間の市街地や大阪湾周辺の風光を、四季折々の変化とともに眺めることができる。生徒たちは昼休みや放課後、リフレッシュしたい時にはいつでもここに来ることができる。

常に親身で信頼できる存在、それが同校の先生方

ベテランの小野先生とシモンズ先生によるペアティーチングだが、教師と生徒の関わりというよりも、先生方の物腰が家族に接するような温かみのある柔らかなものだったことが強く印象に残った。毎日のように青少年を取り巻く事件が世間を騒がす昨今だけに、信頼できる大人の存在がいかに価値あるものかということを痛感した。甲南女子教育の根底に師弟同行の精神を見たような気がする。

新時代へ -- 未知なる世界へと漕ぎ出す「知」の方舟


2015年4月から同校の校長に就任した甲南女子大学教授の岡田明先生。専門はスポーツ社会学

「本校では毎年、新学年がスタートする時期にKonan Girls’Festivalが行われます。4月の文化祭は5千名ほどの来場者があります。5月の体育大会では中1から高3までが縦割りで赤・白・緑・黄と4つの団を作って競い合います。それぞれの団による応援合戦はいまや名物となったプログラムですが、袴姿の生徒たちが熱いパフォーマンスを繰り広げ、二千人以上もの来場者から拍手喝采を浴びています。中高6年間は同じ団ですから思い入れも強く、卒業してからも自分が所属していた色の団を応援したくなるのだそうです。 これまで脈々と受け継がれてきた伝統に裏打ちされた『甲南女子』というブランド力、そして近年の新校舎建設やコース別編成といった学内改革によって新たに加わった勢いを止めることのないよう学園全体でサポートしていきたいと思っています。」
 そう語るのは甲南女子大学生活環境学科教授で、同校の校長を務める岡田明先生。


校長先生に、生徒たちの様子をたずねる日能研関西・小松原健裕代表

「生徒たちに抱いている、活発で聡明という印象は昔も今も変わりません。同時にアカデミックで上品な雰囲気も併せ持つところに本校の生徒らしさが表れていると思います」(岡田先生) 長年、中高の教壇に立つ教頭・林 正規先生は新校舎建築に携わった一人。「著名な建築家である村野藤吾さんが設計した旧校舎や安宅記念講堂などと、デザインに違和感がないように新校舎は設計されています。中央の大きなアトリウムを挟む形でホームルームと特別教室が並び、教室前も廊下の概念を変えるくらい広くなっています。それぞれの学年の気配を感じるというのでしょうか。新校舎になってから、さらに生徒間の繋がりが深くなったように感じますね」 新校舎が竣工した時、その空間性から私は巨大な方舟をイメージした。六甲山系の高台から阪神間の街並みや大阪湾といった壮大な風景へ。さらには未知なる世界へと漕ぎ出す方舟の針路を、これからも見守りたい。

中高6年間の学校生活を通して、どう成長してゆくのか--

 2008(平成20)年より「Sアドバンスト」と「スタンダード」という2コース編成で指導を行う同校だが、コース制の立ち上げ当初は伝統ある校風が損なわれるのではないかという危惧もあった。だが、実際にはそれぞれの相乗効果によって、生徒たちの中により高みを目ざそうという意識が生まれたという。それは授業のみならず、行事やクラブ活動などに積極的に取り組む姿勢にも表れている。新校舎内のいたるところにある多目的なスペースは、生徒たちの創造性を刺激するほか、高3の生徒たちが作詞・作曲を行い毎年変わる「第二校歌」や、高2生がクラスごとに振り付けや選曲をして審査によって選ばれる「自校体操」など、在校生が学校を作るという意識はしっかりと受け継がれている。 教科教育と進路指導の充実により、大学進学実績を着実に伸ばしている同校だが、独自の総合学習と環境教育への取り組みも忘れてはならない。 創設にかかわる甲南小学校や甲南中・高(男子校)とともに環境教育の一つとして取り組む稲作実習、総合学習のカリキュラムとして次のようなものがある。中2「平和」では、週1時間の平和学習と広島宿泊研修などがあり、広島女学院とも交流。中3「保育体験実習」は少人数で実習に参加。高1「探求」は①「人間環境と生命」②「社会環境と生き方」③「人間環境と福祉」④「国際環境と多文化共生」⑤「地域環境と神戸」の5講座から選択。こうした学びと体験を経て、高2の沖縄修学旅行に繋がり、高3での進路選択へと結びついてゆく。

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