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わが子のために教育環境は自分で選ぶ時代
いまや中学から子どもの教育環境を自分たちで選ぶことは、特別なことではなくなってきました。地元の公立中学校のほか、学校選択制で地元以外の公立中学校を選択することも、中学受験をして私立中高一貫校や国立大学附属校、公立中高一貫校などへ進学することもできる。12歳の進路は実に多様化しています。
近年では私立中高一貫校の高校募集停止、公立中高一貫校の新設などが相次ぎ、中高一貫教育にますます注目が集まってきています。こうした流れの中で、子どもの教育環境として中高一貫校を視野に入れる保護者が増え、とりわけ私学に魅力を感じる人々を中心に、中学受験が当たり前のものとなってきたのです。
メリットを知ったうえでの中学受験という選択
関西だけでも160校近くもある私学。各校が、建学の精神を大切にしながらも時代に合ったより良い教育を模索し進化し続けています。新設や共学校化、校地の移転のほか、高校募集をなくしてカリキュラムを再編成するなど、改革の内容はさまざまです。
私立中高一貫校は大学合格実績の良さによって注目されることが多いですが、それは教育の結果の一つに過ぎません。私学の魅力は、教育の中身――「高校受験のない時間的なゆとりの中で一貫した教科教育と人間教育が受けられ、社会に出てから活躍できる力が養われる」ことにあります。そして何よりも、私学には創立時から伝わる教育理念があります。この教育理念があるからこそ、公教育の変化に左右されることなく、一貫した思いで生徒を育てていくことができるのです。
公立のゆとり教育の弊害が社会問題化したのが約15年前。一転して学力向上への方向転換を行った「新学習指導要領」が2012年度から中学でも全面実施されましたが、その成果が確かめられていない状況で、文科省は2021年度実施(中学)に向けた指導要領の改訂に向けて審議を始めています。このような、「ぶれない軸」をもたない公教育に対し不安を感じる保護者も多いのではないでしょうか。
中学受験には、進学塾での学びにより「中学入学後、そして大学進学後や社会に出てからも必要な“自ら学び続ける力”が養われる」ほか、「子どもが自立・成長できる」「家族の絆が深まる」といった「志望校への進学」以外のメリットもやくさんあります。いま、子どものことを考え、安心して預けられる学校を選ぶなら、中学受験という選択はとても自然なことといえるでしょう。
私立と公立の違いは授業時間数にも明らか
「私立と公立の違い」の例として授業時間数を見てみると、その違いは明らかです。(上図参照)。
もちろん、授業時間数が多ければいいということではありません。注目してほしいのは、公教育が「ゆとり教育」と呼ばれた旧カリキュラムを実施していた時代にも、私立はしっかりと授業時間を設け、基礎を定着させたうえで、さらに学び進む力を育むための指導を行っていたということです。必要な見直しを行いながらも、ぶれない教育がそこにはあります。
授業時間数を比較するところから私立と公立の違いを一つひとつ考えていくだけでも、私立の魅力をあらためて知ることになるはずです。