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なぜ、医歯薬系に進学するのか。

中高大一貫教育のメリットを活かしたラボ・ステイ
訪問先.武庫川女子大学薬学部 免疫生物学研究室

この日、高校SS(スーパーサイエンス)コースの3名が向かった先は、高橋悟教授の免疫生物学研究室。ふだんの授業とは別に、放課後も実習を通して大学での研究にふれることができるという。附属高校で生徒たちに化学を教えている教頭・芝﨑眞光先生に、大学の研究室を案内してもらった。


セーフティーキャビネットの中で血管細胞を培養する作業を実習。これから実験するために欠かせない作業だ。指導を行うのは助教・阪中麻利子 先生。器具や薬品の扱い方を実践の中で学ぶ

がんや炎症の部位では、既存の血管が枝分かれをおこして、次々と新しい血管がつくられるという。これを血管新生と呼び、そのメカニズムの解明や制御方法を見いだすことによって、がんや炎症の新たな治療法につなげることが、高橋先生率いる免疫生物学研究室の課題である。

武庫川女子大学と附属中高との連携教育は各学部ともさまざまな形で行われているが、現在、SSコースの生徒たちが、直接この研究室で学ぶきっかけとなったのが、一人の先輩の存在によるものだった。それが、薬学部(6年制)3年生の寺岡由衣さん。「私は高校1年生の時にSSH合宿で大学の研究室で免疫の実験を経験し、その研究を今後も続けてみたいと思いました。放課後は薬学部へ足を運び、先生方に多くのことを教えていただきました。高3になると卒業論文を書くため、週に2~3回は研究室を訪ねましたね」。なんと、高2の秋には学会にも連れて行ってもらったというからすごい。

附属中高で化学を教え、武庫川女子大学でも教鞭をとる芝﨑先生は、「中高生たちの学びに対するモチベーションをどうもたせるか。生徒たちの探究心をどうサポートできるか、大学の研究室とうまくマッチングさせてあげるのも我々教師の務めだと思っています」と語る。

  • 「附属中高の生徒は一般の高校生と違って大学受験に特化することがないので、研究活動に没頭できる環境にあります」と高橋悟教授(写真左)。薬学部3年生の寺岡由衣さん(右)は、附属中学校SSコースの第2期生にあたる