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ロボティクス

私学のロボット研究最前線
私学選択の一つとして、いま注目されるロボット系クラブ

私立中高一貫校におけるロボット研究は、理科系の授業や「総合的な学習の時間」での探究型学習の一環として行われているのが現状で、スーパーサイエンス・ハイスクール(SSH)としての取り組みとして実践している学校もある。もちろん、国公立の高等専門学校(高専)が教育目標とする電子・工業系技術者を養成するような場ではないが、私学の中にはクラブを中心とした活動の中で、豊かな発想力と高いプログラミング能力、製作技術力を誇る学校も多い。今回の特集では、そんな私学のロボット系クラブをいくつか紹介しよう。

昨今、私学各校のオープンスクールや「私学フェア」といった外部イベントで、世界的な大会で活躍するロボット系クラブを紹介する学校も出てきた。

放課後の限られた活動時間の中で研究に没頭する生徒たちだが、その様子はとても楽しげで、とにかく場の雰囲気が明るいのは共通している。 生徒たちの活動目標となるのが、国内での予選を経て海外で行われるロボット系の世界大会。大きなものとして「ファースト・レゴ・リーグ(FLL)」「ワールド・ロボット・オリンピアード(WRO)」「ロボカップジュニア」と呼ばれる三つがある。

①「ファースト・レゴ・リーグ(FLL)」

アメリカのNPO法人ファーストとデンマークのレゴ社が連携し、1988年から始めた課題解決法のプレゼンテーションとロボット競技。日本では2004年から開催されている。9歳から15歳までが対象で、現在では世界40カ国から20万人以上の子どもたちが参加する、世界でも最大規模のロボット大会となっている。

②「ワールド・ロボット・オリンピアード(WRO)」

シンガポールサイエンスセンターが提唱し、アジア各国を中心に広まったもので、プログラミング制御の自律型ロボットによる国際的なロボットコンテスト。小学生・中学生・高校生とカテゴリー別に行われている。2004年に発足し、現在は世界34カ国から1万3千ものチームが参加。

③「ロボカップジュニア」

「サッカー」「レスキュー」「ダンス」という三つのチャレンジ部門で構成される大会。もともとは、2050年までにサッカーの世界一のチームに勝つロボットを制作するという夢を掲げた国際プロジェクト。社会や暮らしに役立つロボット作りを担う、次世代の人材育成を行っている。

ロボット研究会顧問 羽田法寿先生から

中学1年生から3年生を中心に30名程の部員が在籍する「ロボット研究会」は、週に1回多目的教室に集まって活動を続けています。目標は「WRO(World Robot Olympiad)」と「ロボカップジュニア」の2つの大会に出場し、好成績を上げること。先輩たちは見事日本一に、そして国際大会出場を果たしました。生徒それぞれがめざす大会に向けて自分で自律型ロボットを製作し、ロボットを自動制御するプログラムを開発していきます。考える、挑戦する、また考える。「ロボット研究会」は学習の基本を体感できるクラブです。一人ひとりが真剣にロボットやコンピュータに向き合う姿が「ロボット研究会」の日常的な風景となっています。

2016年7月31日(日)開催の「WRO Japan 2016京都大会」(会場:本校講堂)に出場。この大会ではエキスパート競技(高校生の部)・ミドル競技(中学生の部)でそれぞれ優勝。ともに9月の決勝大会に出場することに。

ロボットサイエンス部顧問 福田哲也先生から

ロボットサイエンス部は「宇宙をテーマにしたロボット教育活動」に取り組んでいます。NASAの教育基金をもとに、火星探査ロボットを製作したことがきっかけでこの活動をはじめたからです。活動を通して宇宙飛行士の方々とも出会い、交流を深めています。設立当初は5人だった部員も現在は40名に。世界で最も大きなWROロボット大会にも挑戦し、2年連続で日本代表として世界大会に出場し、昨年は世界7位になりました。また、私たちの活動を広めるために、地域の小学生を対象にしたロボットセミナーも月1回のペースで行っています。ロボットのてっぺんを目指して、日夜努力をしています。これからも応援お願いします。

  • 世界7位(開催国:カタール)となったWROロボット世界大会での様子。

  • NASA(アメリカ航空宇宙局)のマクブライド宇宙飛行士と一緒に記念撮影を行う生徒たち。

東山 追手門学院大手前
http://www.otemon-js.ed.jp/