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司書教諭の常勤も蔵書数も私学の学校図書館はやはり圧倒的な手厚さ!

 

 平成27年4月から学校図書館法の改正案が施行され、「学校司書」が明記された。自治体の努力義務として「司書教諭のほか、学校図書館の運営の改善及び向上を図り、(中略)学校図書館の利用の一層の促進に資するため、学校図書館の職務に専任する職員(学校司書)を置くよう努めなければならない」というものだ。

 文部科学省のデータでは、学校司書の配置状況の全国平均は公立中が52.8%、一方の私立中は56.0%とある。公立・私立とも約半数の学校に司書がいて、一見差がないように感じる。しかしながら、常勤の学校司書がいる割合は公立が11.3%で私立は39.0%という数字。つまり司書の常駐は公立中では10校につきわずか1校なのに対し、私立中学では10校中4校で常に学校司書が生徒の様子をうかがい、指導していることがわかる。

 近年は、自分でパソコンを使いこなしての資料検索、サイトや新聞データベースにアクセスするのは、あたりまえのこと。例えば、同志社女子は、図書館を「図書・情報センター」と称し、同志社大学はもちろん、近畿圏の各公共図書館・国立国会図書館の蔵書検索、雑誌記事検索データベースが利用でき、校内にない資料の検索も可能。CD-ROMやDVDなどマルチメディア資料も利用するなど、積極的に授業で活用し、レポートや発表を行っている。このような生徒の活動は図書館での学習が必須で、専門の指導者なしではなかなか難しい。また、情報収集のため学校図書館には日刊の新聞各紙が置かれるが、公立中学校の新聞配備の状況は1校あたり平均1.7。例えば須磨学園は、日刊紙が6紙、加えて英字新聞も常時3紙を購入し、合わせて32タイトルの雑誌も最新刊を揃えている。
もちろん蔵書数においても私学は圧倒的。美術書や料理本の充実で有名な松蔭の蔵書は約10万冊。これは学校がある神戸市灘区の一般の公立図書館の蔵書数とほぼ同じだとか。公立中学校の全国平均が1校あたり1万冊あまり、高校でも約2万4000冊だから、その数は破格と言えるだろう。しかも、同校の6月の新刊図書の受入数(図書館に入れる本の冊数)はなんと500冊を超えているという。こうした私学は珍しくなく、近隣の甲南女子も蔵書は約8万4000冊。私立中学の図書館は3.4万冊以上があたりまえというのが現状となっている。
参考)「平成26年度学校図書館の現状に対する調査」(文部科学省)

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