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自ら考え行動する、探究心あふれる授業

中2「技術」の授業(写真右)を見て驚いた。 この日は、のこぎりの使い方を学ぶのだが、 生徒自らに板材を切らせながら理屈を考えさ せる授業で、生徒の口々から「あっ、そうか」 という気付きがいっぱいだった。写真下の中1 「美術」では、クラスメイトの顔を鉛筆でス ケッチするのだが、他人の顔をここまでじっ くり観察する機会というのはまずない。「他 者との関わり方の基本は、やはりフェイス・ トゥー・フェイスです」と谷口副校長は語る。

  • 仲間同士で気づいたことを教え合う姿は、まさに「郷中教育」そのものだ。自然な形で切磋琢磨する環境が整う

  • 下は中1「化学」。ガスバーナー の使い方を学ぶ。マッチを 擦った時、軸を下に向けて炎 が手にかかり「熱っ」と叫ぶ 生徒に、すぐさま隣から「軸 を上に」とアドバイスが飛ぶ

図書館には医学関連書も豊富

約5万5千冊の蔵書を持つ図書館には、卒業生のコーナー もある。一年間で700冊借りる生徒もいるとか

2012年より同校で総寮長や「倫理」担当 教諭を務めてきたドミンゴ・ビヤミル先生。 2016年から校長に就任した

高校の寮出身者である副校長・谷口哲生先 生は、ラ・サール生の気質について「とに かくチャレンジ精神が旺盛」と語る

「本校の生徒たちはとても真面目で、何事に対してもエネルギッシュに取り組みます。目標や目的を持って入学してくるのがよくわかります」と語るのは、校長就任から3年目となるドミンゴ・ビヤミル先生。
同校は全校生の約8割が九州出身で、うち半分程が鹿児島県内の生徒。残りの約2割は首都圏や関西、四国などからの寮を希望する入学生ということになる。同校の名物行事と言われる勇壮な体育祭は、鹿児島出身者を中心とした紅軍と北九州地区出身者を中心とした白軍が桜島を背景に熱く戦う。副校長の谷口哲生先生は、「本校では『コミュニケーション』と『見守ること』を大切なキーワードとしています。寮生と下宿生が全体の %を占めていますから、彼らが学校全体の雰囲気づくりに大きな影響を与えているのは事実です。本校には、英国のパブリックスクール・イートン校に短期留学する機会がありますが、現地の方々に『ラ・サールの生徒は感じがいい』と仰っていただいています。生徒同士あるいは教員とのふだんからの関わり方を見ていただければ、ラ・サールのファミリースピリットを感じていただけると思います」
同校は在校生の約 %が理系志望で、東京大学を始め医学部等への高い進学実績で知られる。高2の後半から高3では、時間割の中で2時間の「週テスト」が行われるが、監督はおらず、すべて生徒たち自らの手で行われる。中学での探究心あふれる授業に始まり、高校での自学自習へと、成長ぶりを目の当たりにした取材となった。