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近年、面倒見の良い指導で躍進をつづける開明中・高(大阪市城東区)。今回の取材では、待望の新校舎で学校生活をおくる 生徒たちの様子を伝えたいと思う。

●歴 史

2014年、創立100周年を迎えた開明中学校は、1914年に現在の大阪商工会議所が、外国との貿易に携わる人材の育成のため、語学教育に重点をおく専修学校として設立した。1991(平成3)年に中学校を設立し、その後『開明』と改称、2001(平成13)年に男女共学となった。 2006(平成18)年には中学1年に特別進学クラスとして「スーパー理数コース(以後S理数)」を設置した。もともとS理数2クラス・理数クラス3クラスでスタートしたが、現中1と中2は、S理数3クラス・理数3クラスという形になっていて、コース変更は中3と高1進級時に入れ替えがある。また、高2からは、S理数、理数の名称がなくなり、レベル別のクラス編成に。高1からの編入生と混合クラスとなる。ちなみに6年コースの在籍生が9割、女子は全体の4割を超していて、中学校から入学する生徒がメインの学校である。

中学の授業時間は、どちらのコースも週37時間(月・水6限火・木・金7限土4限)国公立対応カリキュラムで、7限目のない曜日はクラブ活動や、宿題をする自習の時間を確保していて、この時間にフォローアップをすることもある。今まで以上に、授業の予習・復習を重視していく方針で、京大へ30名合格という数字を達成するための突破口とするとのこと。同校では、クラブ活動は週3日まで、勉強と両立可能。中学生のクラブ加入率は8割となっている。

校長・早坂元実先生に聞く「開明の校風と教育方針」

 2014年4月から新校舎での授業がスタートした開明中学校。綺麗な校舎内のせいもあって、生徒たちは活気にあふれていた。開明の教育方針は、正門入ってすぐ横にある「研精而不倦(ケンセイシテウマズ)」の石碑に表れている。

 「どのように生徒を育てていますか?」という我々スタッフの問いかけに、早坂校長先生は、「基礎学力をつけるとともに、様々な行事を通じて本物に触れ、知的好奇心をくすぐり、学びに向かう心を育てています。また、行事に取り組むときに、生徒たちの間で計画や役割を決めていくこともあり、努力の大切さを感じ取り、一生の芯になるような、しんどい事を引き受ける心を持つ生徒にしたいですね。ちなみに今、中1は林間で志賀高原へ行き、今後の学習の土台作りをしています。学びに興味・関心を持ち、面白いと思うことが大切と考えています」とおっしゃった。

  確かに同校は、多彩な行事が有名で、3ヶ月に2回ぐらいの割合で行われている。弁論大会、古典芸能鑑賞会、和歌山・加太湾での臨海理科実習、歴史探訪、百人一首の指導、しまなみ海道夜間歩行など、子どもたちの可能性を広げ、学ぶことの素晴らしさを感じさせるアカデミックな環境がある。また、一つ一つの行事が生徒と先生の手作りで行われ、レポートの作成や感想文を必ず書く。個性や感性が異なる人たちの中で、全員で行事について話し合ったり、計画したりしながら、豊富な経験を積み、将来の学力向上の礎を築くことに繋がっている。

 また、校長先生は「文化祭には、中高生ともものすごい時間をかけます。中学生は、総合の時間に1学期から準備し、さらに8月・9月も午後から文化祭の準備をします。この過程で友だち関係をしっかり作り、勉強もしやすくなるんです」とご説明くださった。生徒一人ひとりを温かく、大切に育てていこうという開明中の教育方針が伝わってきた。

中学生は、週4日は給食!心身の健全な成長を支える、栄養バランスのとれた食事


  • 白い帽子、エプロン、マスクを着用して配膳するのは、担当の生徒たち


  • 生徒たちが給食を食べる前、校長先生自らが毎日11時に検食を行い、検食簿をつけているという

大阪の私学ではまだ少ない給食。在校生・保護者アンケートでも是非にとの声が多かったという。中学生は給食が週4日(中1~中3で曜日ずらして、1日2学年)。残り2日は、お弁当か食堂。クラスの担任の先生か、副担任の先生が給食指導に当たっている。

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