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立命館
長岡京・新キャンパスでの学校生活に密着!
2014年9月、京都府長岡京市のキャンパスで新たな歴史の幕を開けた立命館中・高。大学附属校として不動の人気を誇る同校だが、今回は中学のAD(アドバンスト)コースと、難関国公立大や医学部進学を視野に入れた、高校のMS(メディカルサイエンス)コース」に注目してみることにしよう。

共学というスタイルを最大限生かしたアクティビティーがいっぱい

学校生活の様々な場面で男女の生徒たちが切磋琢磨している。高3の「選択体育」の授業を見たが、男女別に行う学校が多い中、同校は一緒。体育館でのバレーボールやバスケットボール、野球場でのソフトボールにしても、先生は安全管理を徹底したうえでテクニカルな指導はクラブ生に任せるという、生徒たち主体の学びが実践されていた。

最適な時期に最適な教育を展開する立命館。そのめざすものとは

校長の成山治彦先生は、2014年4月に就任。語り口はとても穏やかながら、新キャンパスのことや同校の教育を熱く語られた

「本校の長い歴史の中でも、いま大きなターニングポイントに立ち会わせてもらっていると実感しています」と校長・成山治彦先生。
京都市伏見区深草にあったキャンパスが長岡京市に移転し、2014年9月から本格始動した。
「以前は丘陵地で少し手狭な感じがありましたが、いまはとてもオープンな環境になりました。『集う』ことが意識されたスペースがキャンパス内の随所にあり、アクティブ・ラーニングを進める上での環境づくりを意識して校舎の設計を行いました。

私自身、学びの原点とは何かを考えた時、それは『広場』と『木陰』の存在だったのではないかと思っているんです。そこに教師と生徒が集うイメージですね。手前味噌になりますが、この新校舎は教育の場としては最高の空間だと思います。ただ、生徒たちには常に『恵まれていることが当たり前だと思うな』と言い続けたい。彼らが主体的に学ぼうとする姿勢を教師がどう育むことができるか。学びに対するハングリーさを、生徒たちにいかに持たせ続けることができるか。これがとても重要なことだと思っています」(成山校長)。
現在、中学校には立命館小学校から継続した教育を行う「一貫コース(4クラス)」と、中学受験を経て入学した「AD(2クラス)」「総合(2クラス)」という3つのコースがある。
今回の誌面では、学力伸長をめざすADコースと、彼らが高校で進むMS(文理特進)コースを中心に紹介したい。

文字通り「学び」の中心にあるメディアセンター

成山先生にうかがうと、代々校長は高校3年生(約360名)の面談を、6月から夏休み、9月から1月にかけて行うという。これまでの高校生活を振り返ったうえで、これからの進路をどうするか。生徒たちの今後の生き方を確認するものだそう。明確な将来のビジョンを掲げる高3たちだが、そこに至るまでには、もちろん同校ならではの学びがある。

立命館中・高の校訓は「自由と清新」。生徒会活動が活発なことでも知られている。学校周辺は良質の筍が採れることで有名だが、生徒会が地元NPO法人に出向いて竹細工を学んだり、吹奏楽部が「ガラシャ祭」に参加して市民に向けて演奏したりと、地域との関わりやボランティア活動など様々なことにチャレンジする気風が学校の中に息づいている。
新校舎の中心にあるメディアセンターは約7万冊の蔵書を備える図書施設と、多目的な活用が可能なオープンスペースで構成されており、インターネット等を通じて学術情報を利用することができる。ここは大きな吹き抜け空間となっていて、コミュニティーを形成する上で巨大な役割を担っている。

先に校長先生が、学びの原点は「広場と木陰」という話をされたが、実はそれ以前、取材撮影時にこのスペースの一角に佇んだ時、そびえる柱を見て大樹の幹を連想した。スタジオジブリの長編アニメーション映画『風の谷のナウシカ』(宮崎駿監督)で描かれた「腐海の森」の地下空間ではないが、その場の持つ空気感として、とても清らかで静謐、神聖なものさえ感じた。これからの未来を創る生徒たちにとって、ここはまさに学びの根っこにあたる部分なのではなかろうかと。
同校のコミュニティーは世界にも繋がっている。グローバルリーダーをどう育んでいくか。今後の取り組みにも注目だ。

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